寿也が可愛い過ぎるせいで人生が狂ってしまった人間の生態日記です。
ブログタイトルの元ネタは神海英雄先生の『LIGHT WING』です。
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本日の日勤が終わって、これから夜勤に備えて仮眠に入る訳ですが、その前に30分ほど時間が空いたので日記を更新がてら、昔のペーパーに載せた小説を投下しようとワードに打ち込んでたら1時間30分もかかってしまった…~゜・_・゜~
てな訳で投下します。
これは2008年9月28日の【MAJOR】プチオンリーで配布したペーパーに載せた小説です。
自分はプチオンリーに合わせて【MAJOR】でサークル活動を始めました。
書いた当時の原作では吾郎の血行障害とかをやっていたのだと思います(立ち読みだったので記憶があやふやですが…(^_^;)
タイトルの「シュチェチン」は電気グルーヴの曲名です。
その年に電気の8年ぶりのアルバム『J-POP』が出たのが嬉しかった&【MAJOR】で4年ぶりに同人(二次創作)に出戻ったので、『J-POP』の全タイトルで話を作ろう! と意気込んだ作品のひとつでした。
結局、全曲制覇には至りませんでしたが戦績は以下の通りです。
電気グルーヴ 『J-POP』 収録曲一覧
「完璧に無くして」……未発表
「エキスポ ヒロシマ」……未発表
「ズーディザイア」……未発表
「いちご娘」……未発表
「半分人間だもの」……未発表
「モノノケダンス」……『君の味~Taste of You』に収録
「アルペジ夫とオシ礼太」……ペーパーに掲載
「少年ヤング」……ペーパーに掲載
「スーパースター」……新刊のタイトル
「地蔵」……『Romantic Time slipper』に収録
「シュチェチン」……ペーパーに掲載
「リンギンベル」……何も思い付かなかった(・o・)
「リンギンベル」が、ない頭をどれだけ絞っても全く何も浮かばなかった為、この企画はポシャりました(-_-;)
曲はかなり好きなのですが…上手くいかないものです(@_@;)
未発表のネタの内容も完全に忘れてます(失笑)
思い付いたら速攻で書かないと、片っぱしから忘れていくので(滝汗)。
前置き長くてすみません(・.・;)
それではお暇つぶしにどうぞ<m(__)m>
てな訳で投下します。
これは2008年9月28日の【MAJOR】プチオンリーで配布したペーパーに載せた小説です。
自分はプチオンリーに合わせて【MAJOR】でサークル活動を始めました。
書いた当時の原作では吾郎の血行障害とかをやっていたのだと思います(立ち読みだったので記憶があやふやですが…(^_^;)
タイトルの「シュチェチン」は電気グルーヴの曲名です。
その年に電気の8年ぶりのアルバム『J-POP』が出たのが嬉しかった&【MAJOR】で4年ぶりに同人(二次創作)に出戻ったので、『J-POP』の全タイトルで話を作ろう! と意気込んだ作品のひとつでした。
結局、全曲制覇には至りませんでしたが戦績は以下の通りです。
電気グルーヴ 『J-POP』 収録曲一覧
「完璧に無くして」……未発表
「エキスポ ヒロシマ」……未発表
「ズーディザイア」……未発表
「いちご娘」……未発表
「半分人間だもの」……未発表
「モノノケダンス」……『君の味~Taste of You』に収録
「アルペジ夫とオシ礼太」……ペーパーに掲載
「少年ヤング」……ペーパーに掲載
「スーパースター」……新刊のタイトル
「地蔵」……『Romantic Time slipper』に収録
「シュチェチン」……ペーパーに掲載
「リンギンベル」……何も思い付かなかった(・o・)
「リンギンベル」が、ない頭をどれだけ絞っても全く何も浮かばなかった為、この企画はポシャりました(-_-;)
曲はかなり好きなのですが…上手くいかないものです(@_@;)
未発表のネタの内容も完全に忘れてます(失笑)
思い付いたら速攻で書かないと、片っぱしから忘れていくので(滝汗)。
前置き長くてすみません(・.・;)
それではお暇つぶしにどうぞ<m(__)m>
シュチェチン
携帯電話がメールを受信したので僕は画面を開いた。
送信者は僕が週に一度、祖父母の住んでいた実家の手入れを頼んでいるハウスキーパーの吉田さんだった。
―――佐藤寿也様。
―――玄関先の草むしり終わりました。
―――それから、お手紙が届いていたのでご自宅に送ります。
簡素な文面に、だけど僕は嬉しさを隠し切れなかった。
手紙が来た。 それだけのことで子供のように喜べる自分を僕は客観的に捉えて呆れる一方で、無理もないと自分に言い聞かせてもいた。
きっと心はその頃に戻ってしまっているのだから。
翌日の午前中には吉田さんが転送してくれた手紙が僕の自宅マンションに届いていた。
封筒の裏に書かれた差出人を確認するまでもなく、その筆跡だけで僕は相手を特定でき、そして昨夜一晩で膨れ上がっていた期待が空振りに終わらなかったことに安堵した。
変わってないな。
この感想が、幼い頃からの彼への印象であり恐らく僕は今後も彼に接する度に同じ評価を下すのだろう。
まぶたの裏に、いつまでも褪せない僕の中の「彼」を思い描きながら僕は手紙の封を切っていた。
白い封筒の中には藁半紙が一枚入っていた。
質の悪いペンを使ったのだろう、文字は所々インクが滲んでいる。
そしてペンのせいだけとは言い切れない、お世辞にも上手とは言えない字で手紙は綴られていた。
―――寿也、元気か?
―――俺は今シュチェチンって町にいる。
―――すっげぇキレイなとこだぜ!
文章はこれだけ。
僕が前日一晩かけて膨らませた期待の十分の一にも満たない素っ気なさだが、まぁこれは彼に期待を寄せた僕が馬鹿だったと諦めた。
それにしたってもう少し、近況を書いてくれてもいいじゃないか……。
「本っ当、変わってないなぁ吾郎くんは」
悪筆に目を落としたまま僕は脱力した。 にもかかわらずどうしてか、僕の口元はほころんでいた。
彼―――茂野吾郎は僕の幼馴染だ。
10年くらい前までは現役のプロ野球選手、それもアメリカのメジャーリーグに所属し数少ない日本人メジャーリーガーとして活躍もし、所属チームの優勝の立役者になるなど実績はなかなか華々しいものだった。
それなのに、所属チームがワールドチャンピオンになった翌年に彼は現役を引退した。
当時彼は23歳、故障もなく球威が衰えた訳でもない、野球選手としては絶頂期にあった彼の突然の引退劇は、日米の野球ファンとマスコミを騒然とさせた。
僕もその一人だったので電話で彼に真意を問いただしたところ、彼の返答はこうだった。
「俺、やりてぇこと見つけたんだ」
「やりたいこと?」
「なぁ寿、世界に国がいくつあるか知ってっか?」
「な、何だよ急に…。
…この間のオリンピックは204ヵ国参加だったっけ…だから…」
「いや、もっとだよ! 数え切れねぇほどあるんだぜ!?
でもよ、その中で、野球をやってる国なんて、20もねぇんだってよ!」
「へぇ、それ調べたんだ、君? 凄いじゃない。
…それで?」
「だからぁ! 行って教えてやるんだよ! 野球!」
「………誰が?」
「ったく…おまえ頭いい癖に抜けてんなぁ~。
俺がだよ!!」
この会話の翌日には彼は、所属する球団がセッティングした引退会見もすっぽかして出掛けてしまっていた。
野球のない国に、野球を広める為に。
それから彼は時々僕の家に手紙を送るようになった。
半年に一通来れば多いくらいの頻度ではあるけれど。
今の携帯電話は海外でも使えるのだから、携帯を持って行けと彼の家族には口酸っぱく言われているらしいが一向に改善される様子はない。
彼の気が向いた時に、彼から手紙や電話が届く。
僕は尋ねたことがある、どうして僕に手紙を送ってくれるのかと。
はっきり言って手紙を書く習慣が彼にあるとは思えない。
電話口の向こうで彼は笑ってこう言った。
「時々字を書かないと、日本語忘れちまうんだよ」
つくづく彼に情緒を求めては駄目なんだと僕は悟った。
彼が手紙の送り先に指定するのは、僕が現在暮らすマンションではなく、学生時代に僕が住んでいた祖父母の家だ。
成人するまで僕を育ててくれた祖父母は何年も前に他界しているので今は誰も使っていない。
彼には祖父母の家宛てではなく、僕のマンションに手紙を送るよう催促したこともあるのだがこれも無駄骨だった。
あるいは彼の中でのイメージは、僕の家といえばあそこなのかもしれない。
そう思うと悪い気もしないので僕は訂正を求めなくなった。
僕は週に一度、祖父母の家の手入れを吉田さんにお願いしている。 彼からの手紙の件を抜きにしても、祖父母の家を手放す気は僕にはなかった。
いつか僕に家族が出来たらあの家をリフォームしてあそこに住もうとは思っているのだが今のところその予定もなく、現状維持を続けているのだった。
「シュチェチン…シュチェチンって何処だよ…」
ぼやきながら僕は携帯電話を開いてネットで調べる。
シュチェチンとはポーランドの北西部にある、西ポモージェ県の県都だった。 ポーランドでは割と大きな湾岸都市だそうだ。
「何処に行こうとしてるんだ?…」
呟いた後になって僕はそれが愚問であると気付く。
多分その答えは彼にもわからないのだろうから。
計画性のかけらもない彼の生き方だけど、僕は嫌いじゃない。
それどころか、憧れすら感じる。
実は僕も日本のプロ野球選手として活動していたのだが、昨年現役を退いた。
30代に入って体力の衰えが誤魔化せなかったからだ。
誤魔化しが利くほどプロの世界は生易しいものではない。
第一線を辞した僕は現在、長年お世話になった球団の打撃コーチをさせて頂いている。
テレビ局からは、実況中継の解説者をして欲しいとのオファーを頂いたがお断りした。
解説も面白そうだけど、やはり僕は少しでも現場に近い所にいたい。
それが―――今も何処かの国のグラウンドに立っているであろう彼への対抗心なのかは僕にはわからない。
そんな風に彼と僕の生き方を比べるのは止めたんだ。
彼がプロの世界を抜け出して、世界中を旅しながら野球のすそ野を広げる生き方を選んだ時、僕は自分の立ち位置について悩んでしまった。
それはかつて、彼が海堂高校を自主退学し、新しい環境に飛び込んで行った、その背中を見送った時にも抱いた思いだった。
―――僕はこれでいいのか?
彼の生き方を目の当たりにすると、僕はいつも自分の土台が揺るがされるような焦燥感に駆られる。
彼に比べると、あまりにも自分が平坦な道を選んでしまっているのではないかと。
だけど、僕には彼のような生き方はできない。
いや、そもそも彼のような生き方をする必要もない。
野球のない国に野球を広めるという彼の活動は確かに立派だけど、日本のプロリーグでしか成し遂げられないことだってあるんだ。 僕の目指すべき道はそこじゃないか。
そう気付けるまで結局僕は3年も消費した。
人生に、優劣なんてない。
彼は彼の、僕は僕のやり方で野球に関わっていられれば、それでいいんだ。
達観し、苦悩が去ってしまえば悩み苦しんだ日々もいい経験だったと思えてしまうから不思議だ。
10代の頃は、狭い分濃密な交友関係の中で、傍にいることが友情だとはき違えたこともあった。
友達は、いつも一緒にいて、同じ夢を見るべきで、自分の傍から離れていくのは裏切り行為だと思い込んでいた。
相手を自分と同化することで僕は安心感を得たかったのかもしれない。
だけどそれだけが友情じゃないと、僕に教えてくれたのも彼だった。
僕と彼は幼馴染で友達で、お互いにずっと野球をしていたけれど、同じチームで過ごした年月は、長い野球人生の中でも一割に満たない。
時々こんな風に手紙や電話で遣り取りをしているけれど、彼自身にはもう10年以上も対面していない。
そして、この先も。
多分、僕と彼は一生会わずに終わるんだろう。
それでも僕は胸を張って言える、彼は僕の一番の友達だと。
何処にいたって、何があったってそれは変わらない。
顔を見なくても、言葉を交わさなくても。
僕らの友情は揺らがずに続いていると僕は信じている。
「…君はそう思ってないかもしれないけどさ」
藁半紙の手紙を封筒に戻しながら僕は小さく呟く。
いいんだ、見返りが期待できる人じゃないってことも承知の上だ。
それでもいいと僕が思えるんだから恐らくこれが正しい選択肢なんだ。
これ以上言葉を連ねると言い訳がましくなりそうなので僕は切り上げて、届いた手紙を収納ケースにしまう。
溜息をつくと、僕は窓から見える空に目を向けていた。
「ポーランドって、向こうかな」
何となく方角を定めて僕は遠くの国にいる友達に想いを馳せる。
話したいこと、聞きたいことは沢山あるけれど今は止めておくよ。
君も僕も元気で、野球を続けてる。
それで充分だよね。
性格がまるで違う君と僕を結び付けてくれたように、野球は何処へ行っても君とその国の人々の懸け橋になってくれる筈だよ。
だから僕は君の心配をしたことはないんだ。
大丈夫、君は何処ででもやっていけるさ。
目を閉じれば見知らぬ国で、君と子供たちがグラウンドを走り回っている姿が容易く想像できる。
きっと君は子供みたいな明るい笑顔を浮かべているんだろうな。
そう考えている内に僕も子供に戻ったような笑みを知らぬ間に浮かべていた。
【 終 】
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変態性欲者の弟子
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